雨降って地固まる

心の中に留められなくなった感情と感動の吐き捨て場

礼真琴さんの表情が素敵だったお話〜220226王家に捧ぐ歌ライブビューイング〜

 

 

土日Twitterで大騒ぎしましたが、2022/2/26に星組御園座公演の「王家に捧ぐ歌」のライブビューイングを観劇しました。

「王家に捧ぐ歌」自体が、個人的には思い出深い作品だったということもあり、ライビュがあると知り即購入。

 

雪組公演はここ数年で何度か見に行ったものの、今の星組に対する知識なんて、礼真琴さんがトップだということ、礼さんは歌がうまいということ、礼さんの顔が好きだということだけ!(最後に関しては知識ではなく好み)

 

王家に捧ぐ歌自体への感想や思い入れなんて話し出したらキリがない(し、めちゃくちゃツイートした)ので省きます。

書きたかったのは、個人的にこのシーンの表情が好きだと思いました!という…備忘録??

あの、Blu-ray収録入ってたんで、Blu-ray出たらもう、すぐ!すぐに買うんで、その時のために残しておきたいんです!

 

 

①エジプトは領地を広げている〜終わる、終わらない

 

女神イシスに選ばれる将軍は、私に決まっている!と歌い上げる表情(歌がうまい)、現れた想い人に「祖国エジプトは、世界の平和のために戦っている。すなわち、エジプトが勝てばエチオピアは自由を得られる」と語る表情はめちゃくちゃ自信に満ちた、確信した表情をしているのに、アイーダにそれを笑い飛ばされ、エチオピアの女性たちに悉く恨みを、嘆きを叩きつけられて困惑していく表情が、まず堪らなく良かったです。

ラダメスのように、勝利の先を見据えて戦っている人が何人いる?って話。これは話が進めば分かるけれど、全然いないんだよね。アイーダはそれを理解している。だから、「終わるわけない、こんなに憎しみで溢れているのに。勝敗がどちらに転んでも同じことよ」って嘆いている。平和のために勝利するなんてことは、この時点では信じていないの。でもラダメスは、嘆きを恨みを憤りをぶつけられてなお、「必ずエチオピアを解放してみせる」と。その真摯な表情!そりゃ惚れるし信じたくもなるよねアイーダちゃん……って気持ちになる。

 

 

②凱旋〜世界に求む

 

戦争に勝利して帰還した英雄!けれど、ラダメスにとって、勝利はゴールではなく通過点。願いを告げる前に、エチオピア人及び王アモナスロを差し出す。同じ人間なのに!と訴える敵国エチオピア人に、敗者は悪だ、皆殺しにしろ!と叫ぶ同胞エジプト人。それを目の前にして虚しさを噛み締めたような表情よ。同じ「勝利」に見ていたものの違いを思い知らされた絶望にも似た表情よ!その上、アイーダが、私の命と引き換えに父親を助けてくれ、と訴えたときの表情よ〜〜〜!!!

ライビュだからずっと映っていたわけじゃないけど、その表情を見てるだけで私は涙が出そうだった。勝利を持ち帰った男の顔じゃないの。踏み躙るために捕らえたわけじゃない、差し出したわけじゃない、これから自分が口にする願いが、きっと全く理解を得られないことを、ラダメスが実感していく。案の定、仲間どころか、敵からも理解されない。

ただ、アイーダだけが、「戦いは平和を得るため」だとラダメスが心から思っていたことを、それを実現しようとしていることを理解する。アイーダだけが、希望に、期待に満ちた表情をしている。それを受け入れられないウバルドお兄ちゃん…(の話をし始めたら終わらないので割愛)

 

たとえ今は夢のように思えても!と訴える、たった二人。困惑し、嘆き、怒り、戸惑うエジプト人エチオピア人。ファラオだけが静かに耳を傾け、最後には、「これは賭けだ」とその願いを聞き入れる。ファラオが如何に偉大か、よく分かるシーンでもある…

 

 

③愛している〜月の満ちるころ

 

「愛している!」にシンプルにときめいたの、生まれて初めてかもしれない。

直前にあれだけアムネリス様に牽制されても躊躇わず、父親にスパイを命じられ様子のおかしいアイーダにも気づかず、真っ直ぐに告げられた愛の言葉!

「愛している!あなたを愛している。あなたを愛している」…何度も繰り返しながら、やっと告げられた喜びに満ち溢れた表情〜〜そうか、平和でなければ、高らかに愛は歌えないんだ……と納得してしまった。

せっかく想い通じたのにアイーダの地雷を踏み抜いた上、「ひとときの感情」と言われて、「みくびっているのか…?」と困惑から怒りに変わっていくところもたまらんだった……否定してくれて、安心した表情で脱出計画(月の満ちるころ)を歌うところもね……

 

 

④牢獄〜地下牢

 

銅鑼のシーンも好きだけど!!!でもやっぱり処刑前の牢獄シーンが、今回の王家の個人的ベストシーンだった……

(ちなみに銅鑼のシーンは、ウバルドが「お前たちの中に、裏切り者がいたからだ」と訴える前から後の表情の変化……まさか、そんな…とでも言いたげなかお!)

 

私にあなたを殺させないで、と懇願するアムネリス様にまず号泣だけれど、それによって、裁きを待つばかりの感情の抜け落ちた表情が、じわじわと歪んでいくのでもっと泣く〜〜!!

ラダメスは、アイーダもアムネリス様も恨んでいない。……と思って今ハッとしたんだけども、この時点でラダメスは、「アイーダがアモナスロに連れ去られた」ってことは知らないんだよな……ということは、「ファラオの秘密を聞き出すために、アイーダはラダメスを騙した」としか思えない状況なわけで。だからこそ、「この広い世界で私はついに孤独」なのか…やっと思いを分かち合える人が出来たと思ったのに、その人は己を裏切り、王を失い、仲間を失い、命までも失おうとしている…それでもラダメスは、アイーダに騙されたとは言わない。

ラダメスは真っ直ぐで馬鹿正直な男だから。一言口にするだけで逃げ出せるし、アムネリス様を自責の念から救うことが出来るのに、こんなところまで来ても、「自分の気持ちを偽ることはできません」なんだね……

アムネリス様のセリフのあと、徐々に表情を歪めて、いっそアイーダのせいにした方が楽なんじゃないの??!と言いたくなるような顔をしても、アムネリス様を突き放して、彼女がなすべきことだけを告げる。涙どばあです(私が)。それが出来ないからラダメスなんだよねえ……と思わされる、心臓が震えたシーンでした。

あと「物事はいつでも、あるべき道を辿ります」と繰り返したアムネリス様が、「ひとりの女性として」ラダメスを助けたいと願ったのに、結局は「ファラオとしてあるべき道」を辿ることになっているの、あんまりにも酷じゃないかい……??

 

真っ暗な地下牢で、ラダメスは孤独に溺れそうになる。それでも、アイーダは生きて、輝き続けている…!と己に言い聞かせていたところに、聞こえるはずのないアイーダの声。暗闇で希望を見出した表情が、アイーダを見つけて、もうここから出られない!と嘆き悲しむ顔に変わるの〜〜だから!!泣くって!!!

そもそも「アイーダは自分を愛していたわけではないかもしれない」のに、「彼女が生きていることが、自分が命を懸けて望んだことだ」と己を奮い立たせていたの……?感想書きながら泣いてるんですけど……

あなたが生きていることだけが支えだった、と涙するラダメスに、今度はアイーダが「愛しているから。あなたを愛しているから。あなたを愛しているから」と繰り返すんだよ〜〜これさあ、ラダメスがアイーダに想いを告げたときと同じなんだよね……頑なだったアイーダの心をほぐそうとしたように、今度はアイーダがラダメスを……って、これが…愛……

私たちにも祈ることはできる、と言われ、ならば祈ろう…と二人で静かに平和を願う、その表情が…表情が………(遺言)

表情の話じゃなくなってしまうけど、死にゆく二人が祈るばかりの地下牢の真上で、アムネリス様が生きている人たちに、戦いに挑んではならない、希望を失ってはならないと訴えるシーン、とても好き。アムネリス様に、ラダメスとアイーダの願いが届いたことが、よかったね〜〜〜って気持ちになるんだ……

 

 

 

ねえ、表情の話がしたい、王家に捧ぐ歌の感想は省くって言ったの誰だった???

我慢したんだよ〜〜ほんとはエチオピア王家と家臣がとても好きだし、エジプト親友トリオの話だって、アムネリス様の話だって、いろいろ、いろいろある……

 

 

個人的には、ラダメスって、下手するとめちゃくちゃ馬鹿な男になっちゃう役だと思っています。祖国が勝てば平和になる、と敵国の人間の前で訴えるわ、己に惚れている自国の王女に敵国の王女に惚れたと口走るわ、重要な秘密をぺらぺら喋るわ、ファラオに呼び止められたら「私はどうしたら…」なんて迷うわ、己が裏切り者だと自白するわ、もう、何なの??もっと、いろいろ、上手くやれよ!!みたいな気持ちにさせられるというか……

だけどその、真っ直ぐで、正直で、真摯で、情に厚く忠誠心の高い愛に溢れた男なんだ……っていうラダメスの魅力が、なんか、すごく伝わったというか………えっ、何様?みたいな感想になってしまうけど、そんなふうに思いました。

 

礼真琴さん、他の作品もとても見てみたいので、実家のヅカオタとスカイステージをフル活用するぞ〜〜〜!!!

とりあえずモーツァルトとエルアルコンとロミジュリやってるのマジやばいめっちゃ見たい(語彙)